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 頭痛は誰でも経験する身体の不調です。同時に我々は、「うちの子は私にとって頭痛の種だ」というように、頭痛が精神的なストレスと関連の強いことを経験的に知っています。
 頭痛は日常的な問題である反面、ある種の頭痛は文字通り命取りにもなります。また、多くの頭痛は生命に危険が及ぶことはありませんが、日常生活で多くの苦痛を感じやすいことが特色としてあげられます。
 我々が経験する頭痛の多くは機能性頭痛と呼ばれ、頭痛は感じるものの、血液検査や頭部CT・MRIや脳波などで異常が認められないものです。大切なことは、異常が認められないからといって病気でないわけではなく、多くのものは適切な治療を行うことによって症状を軽く出来る可能性があるということです。
 我々が日常で経験する頭痛は、そのほとんどが機能性頭痛を言われています。機能性頭痛の中では、締め付けられるような痛みが比較的長く続く緊張型頭痛と、脈を打つような頭痛は発作的にそして反復的に出現する片頭痛が代表的です。
 わが国での調査では、15歳以上の人の中で、1年間に8.4%の人が片頭痛、22.3%の人が緊張型頭痛と診断されるという結果が出ています。頭痛はこれだけありふれた病気なのに、多くの人が医療機関にかかっていないこともわかっています。病気の人の多くが治療を受けていないということは、うつ病とも共通した特徴です。
 片頭痛は比較的若い女性に多く、しばしば遺伝傾向が見られ、家族に「頭痛もち」の人がいます。頭痛の起こり方としては、頭の片側、時には両側に、ズキンズキンと拍動する頭痛が発作的に、しかも繰り返し出現します。痛みは比較的強く、動作をすると痛みが強まるため、頭痛のために動けなくなる人もいます。吐き気、嘔吐を伴うこともあります。しばしば頭痛が起こる前に目の前がチカチカすることがあります。
 片頭痛はストレスと関連が深く、生活の変化、光や音、食物(ワイン、チョコレートなど)によって誘発されることがあります。
 緊張型頭痛は、痛みの性状が両側性で、後頭部から頚部を中心にしめつけられたり圧迫されるような鈍い痛みが典型的です。午後から夕方にかけて強くなるのが特色です。「首の後ろから頭全体にかけてしめつけられる」と感じ、肩こりや不安感、イライラ感を伴うこともあります。片頭痛とは異なり、男女差は少ないと言われています。緊張型頭痛もストレスとの関連が深い病気です。
 片頭痛の原因として、以前から言われていることは、何らかの原因で首から脳に入る血管が収縮し、その後拡張した時に痛みを感じさせる物質が放出され、頭痛が起こる(血管説)というものです。最近では三叉神経という神経細胞の関与も指摘されています。
 緊張型頭痛の原因として、@同じ姿勢を続けることにより、頭頚部の筋肉が持続的に収縮すること、Aストレスにより脳内の機能異常が起こることなどが考えられています。
 このように、片頭痛や緊張型頭痛は代表的な心身症なので、このような頭痛に悩んでいられる方は心療内科で相談してください。