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  私たちは、生きている限りは毎日さまざまな出来事を経験します。そして、うまくいけば気分がよくなるし、うまくいかなければ落ち込むことでしょう。このように、人が生きてゆくうえで経験する出来事をライフイベントと呼びます。
  世の中は不確実なことが多く、我々は様々なライフイベントに対して確かな見通しを持てないまま対処しなければならないことも少なくありません。このような対処の積み重ねがその人の人生ということができます。
  ストレスとは、本来は物理学の用語で、物体の形をゆがめてしまうような力のことをさすそうです。今では、ストレスという言葉は日常用語となり、主に心理的に負担となる出来事を意味するようになりました。
  ライフイベントのなかで、人に対してストレスとして働くものは数多くあります。非日常的なものとしては、地震や家事などの天災、戦争や交通事故などの人災があげられます。
  死にそうになるなど、非日常的な大きなライフイベントの後で、繰り返しそのことを思い出して不安になったり、その出来事と関連のあることを避けようとするような状態を外傷後ストレス障害と呼ぶことがあります。
  うつ病が発症する要因として、環境の変化が知られています。家族の死、自分が病気になる、配置転換など誰にでもストレスと感じられるような変化もあれば、結婚、昇進など人から祝福されるような出来事の後にもうつ病は発生しやすいといわれています。また、引越しのように特別にめでたくもなく、悲しくないような出来事の後でもうつ病は発症しやすいのです。
  我々は様々なライフイベントを経験します。しかし、たとえば配置転換のように本人にとって負荷のかかる状況が発生しても、上手く対処できる人と、不適応を起こす人がいます。また、世の中にはストレス(プレッシャー?)に強い人と弱い人がいることが経験的に知られています。
  本人が、自分の経験したライフイベントをどのようにとらえるかによってこのような個人差が発生するといわれています。
  うつ病になりやすい人は、通常自分を取り巻く環境に上手に適応しています。ところが、これまでに慣れ親しんできた環境が変化すると再び適応するまでに時間がかかります。環境の変化が自分にとって辛いものでもめでたいものでも適応するのに苦労することは変わりません。
  たとえば、引越しで大きな家に住めるようになったとしても、近所の人と仲良くなったり、地理感をつかむまでに時間がかかります。うつ病になりやすい人は、このような状況で、自分のなかの秩序を失ったと感じやすいようです。
  反対にストレスに強いといわれている人は、基本的に楽観的です。自分にストレスがかかったときに、「何とかなるだろう」と思えるようです。
  ストレスに強い人は、友達が多く、人に助けを求めるのが上手です。困った時には悩みを一人で抱えずに人に相談することは、ストレスを解決するうえで大変重要です。