コラムトップ


多くの患者さんは、はじめてうつ病のかかったとわかると、「うつ病」という病名が頭に浮かぶたびに暗い気分におそわれるようです。患者さんに聞いてみると、「うつ病」というイメージは、気分が暗くなり、一人で部屋にこもり、寝たきりになるというものが一般的です。なかには、社会から「頭がおかしい人間」とみられるというイメージもあるようです。このようなイメージを否定するためになるべく横にならずに活動している方も少なくありません。
 最近では、うつ病の知識が広まり、以前よりはうつ病に対する社会の偏見も軽減しています。しかし多くの人は、マスコミなどでうつ病について聞いたことはあっても、その時点でまさか自分がうつ病にかかるなどとは思ってもみないことだと思います。実際にうつ病にかかれば、多くの知識が欲しいことと思います。
 当クリニックでは、うつ病に関しては通常の診療に加えて、健康教室とフォローアップグループというコースを用意しています。
 健康教室は、以前コラムでも紹介しましたが、うつ病にかかって間もない患者さんを主な対象として、3人前後の患者さんに対して当クリニックの心理士が60分間2回にわたって、うつ病とはどんな病気か、病気の間はどのように過ごしたらいいか、再発を防ぐにはどのようにしたらいいかなどについて資料をもとにして説明してくれます。
 フォローアップ教室は、主にうつ病で休職中の人を対象に、毎日の生活や病気の間に考えていることなどを集団(患者さん4〜5人と複数の心理士)で話し合います。こちらは週1回、1回が約1時間で8回程度のシリーズで行います。
 健康教室では、おもに患者さんにうつ病に対する正確な知識を身につけてもらい、病気に関する誤解からおこる不安を減らすことを目的にしています。
 これに対してフォローアップグループでは、同じ病気にかかっている人と話をすることによって、お互いが支えられているという体験が持てることや、自分のことを客観的にみる機会を持つことを目的にしています。
 うつ病に関する情報量は膨大で、通常の診療時間だけで患者さんに伝えきるのは困難です。一方、患者さんとしては、ただ病気の知識をもつだけでは 不十分で、実際にどのように対処したらいいか知りたいのではないかと思います。
 当クリニックでは、通常の診療に加えて、健康教室、フォローアップグループ、そして書籍(「知人がうつ病になったとき読んでおく本」三輪書店)を通して患者さんと共にうつ病に取り組んでいます。