コラムトップ

   最近「あいつは持ってるよな」という言葉がよく聞かれるようになりました。2010年度のユーキャン新語・流行語大賞で選考委員特別賞を受賞したそうです。
 「持ってる」とはいっても、その人が何を持っているかは漠然としています。一般的には、日常ではなかなか経験できないような幸運やよい結果をたびたびつかむ人のことを「持っている人」と呼ぶようです。
 最近「持ってる人が持っている共通点」(小笹芳央著)という本を読みました。
 この本によると、持ってる人たちはただ運がいいだけではなく、共通した考え方や行動の特色を持っているということです。以下に持っている人の特色をまとめてみます。
 第1に、我々は誰でも不確実な未来に向かいあう存在ですが、持ってる人は、未来に希望を持ち、その希望を実現するために努力を惜しみません。
 第2に持ってる人は「祈る気持ち」や「感謝の気持ち」を忘れません。我々がいくら優れた才能を持ち、努力を続けても、未来の結果には自分の力だけではどうしようもない部分は残ります。「持ってる人」は、自分が大きな世界の小さなピースであることを自覚しています。心理学ではこのようなメンタリティを自己超越と呼んでいます。
 第3に、上に述べた考え方や行動のパターンを通して、持ってる人は信頼や絆によって張り巡らされた「関係の網の目」の中で生活しています。  世の中で大きな成功を収める人たちにみられる「健康な人格」についての研究があります。この研究によると、「健康な人格」を持つ人には3Cと呼ばれる3つの特色があります。
 Control(自分の前におこった出来事を自分の力で解決できると楽観的に考えられる傾向)、commit(自分の周りで起こる出来事に対して積極的に関わろうとする傾向、この結果色々な人と交流が増える)、challenge(リスクのあることに積極的に関わる傾向)の3つのパターンです。
 3Cはまさに関係の網の目で生活する傾向と一致します。「持ってる人」と「健康な人格」とは同じような概念であることが分かるかと思います。  同じような言葉に「ひきよせの法則」や「セレンディピティ能力」があります。セレンディピティとは幸運を引き寄せるという意味です。
 未来には最も望ましいものから最も避けたいものまで様々な可能性があります。我々にとって大切なのは、未知の未来に対して望ましい結果をイメージする能力(世の中ではこれをビジョンと呼びます)と、望ましい結果を実現するために継続して努力する能力ではないかと考えています。