桜の花もあっという間に散り、緑の美しい季節となりました。
 5月は、ゴールデンウイークではじまり、普段の生活から離れて、新年からためこんだ疲れをとる時期です。今年は長期間休暇をとれる人も多いようで、交通機関や高速道路は混雑することでしょう。
 我々にとって休暇が続き、気分がリラックスすると、元の緊張感のある生活に戻るのは決して楽ではありません。多くの人が、連休の最後の夜はゆううつな気分になることでしょう。
 特に、4月に入学、就職、異動を経験した人にとっては、連休明けは危機的な時期でもあります。新しい環境を経験し、知らず知らずのうちに心身のストレスをためこんでいたところに、生活のペースが変わると、休みが明けても体調が悪くなりがちです。この結果、学校や職場を続けて休みだすと、いわゆる「5月病」といわれる状態になります。
 「5月病」の状態でよくみられる不調は、睡眠障害です。なかでも寝つきが悪くなり、朝方になって深く眠るため寝坊してしまうことが多いようです。連休中夜遅くまで起きていたせいか、睡眠時間が朝の方にずれてしまいます。日本の国にいるのに、時差ができた状態になってしまうのです。無理に起きると、頭痛や吐き気などを感じることが多いのです。また、日中様々な身体症状も出現します。
 気分も沈むことが多く、うつ病と区別がつきにくいことがあります。しかし、細かく見ると二つの病気を見分けるいくつかのポイントがあります。
 第1に、通常5月病はうつ病と異なり、趣味など楽しいことを行っているときは気分が晴れます。一方、うつ病ではどんなときでも気分が晴れることがありません。第2に、5月病では寝つきが悪いことが多いのですが、うつ病では夜中や朝早く目が覚めるなど、睡眠が長く続かないのが特徴です。
 5月病の状態から回復するためには、環境になれることが大切です。自分一人ではどうにもならない状況になった場合は、家族や学校・会社の人などに援助を求めることが大切です。他人に援助を求めながら、他人に援助を求める技術を磨くことも大切です。
 周囲の人が本人を援助する方法は、以下の4点にまとめられます。第1に本人を信頼し、その人の身になって考えるなどの情緒的なサポート、第2に仕事を紹介したり手伝うなどの道具的なサポート、第3に本人に必要な情報を提供すること、そして本人に適切な評価を与え自信をつけてもらう評価的サポートです。
 以上のことからおわかりのように、5月病は「病気を治す」というイメージより「問題を解決する」「新たな経験をつむ」などのイメージを持って対応することが大切です。