睡眠は、我々の生活に欠かすことが出来ない大切な行為です。人生の1/3は眠っているのですから、よく眠れるかどうかで人生の質が変わってくるともいえます。
 現代人の5人に一人は睡眠に関する悩みを抱えているといわれています。コンピュータの発達や第3次産業が盛んになるに従い、夜遅くまで仕事をする生活が広がってきたせいでしょうか。
 我々は何時間くらい睡眠をとる必要があるのでしょうか?ある調査によると、日本人の平均睡眠時間は6.6時間で、5〜8時間睡眠をとっている人が全体の86.3%を占めるそうです。ただし、必要な睡眠時間は個人差が大きいようです。ナポレオンのように3時間も眠れば十分な人をショートスリーパーといいます。また9時間や10時間眠らなければ足りない人はロングスリーパーといいます。
 医学的には、睡眠不足とは、@日中に眠気を感じること、A週末にいつもより3時間以上長く睡眠を取ること、の2つの条件を満たすことをいいます。この欄を読んでいる人の中にも、思い当たる人がいるかもしれませんね。
 結局適切な睡眠時間とは、その人が日中眠気を感じないような睡眠時間ということになります。
 さて、不眠に関する悩みの中に、「眠れないから早く床につく、でもなかなか寝つけない」という人がいます。これは医学的にも事実です。人間の体には睡眠と覚醒に関するリズムがあり、普段寝つく時間の2〜4時間前が1日で最も眠りにくい時間帯なのです。このように、慢性的に不眠で悩んでいるときは、眠くなってから床につくこと、起床時間を決めて、決めた時間に起きること、朝のうちに日光に当たることが大切です。 
 良い睡眠をとるためには、生活リズムを整えることが大切です。まず、食事が睡眠に影響を与えます。朝食を規則正しくとると、朝の目覚めがよくなります。逆に夜食(特にたんぱく質)をとりすぎると寝つきが悪くなることがわかっています。
 運動も睡眠に影響を与えます。日中運動をすると睡眠の質が良くなることは皆さんもよく経験されることでしょう。
 日光も睡眠に大きな影響を与えます。通常人間は15〜16時間続けて起きていると眠気を感じるといわれています。ところが、暗い部屋に2時間こもっていると、体のリズムが乱れ、入眠時間が1時間遅れるそうです。また、家で光に当たらない生活をしていると、睡眠は長くて浅くなります。近年は、1日中ビルの中で仕事をするサラリーマンが増えています。光に当たらない生活をしているとどうしても睡眠はとりにくくなるので、注意が必要です。また、夜間に照明が明るいと、入眠時刻は遅れます。都市で生活していると宵っ張りになるのは、このような体のリズムも関係していると思われます。
 それでは、良い睡眠をとるために我々は日常どのようなことを心がけたらいいでしょうか?
 第1に、心も体もリラックスされるといいでしょう。寝室に入ると、俗世間から離れた、くつろいだ気分になれると最高です。香り、音楽などを使うのもいいですし、マッサージなどで筋肉をほぐすのもいいでしょう。ただし、音楽は、好きな音楽で聴くと感情が高ぶるようなものはかえって眠りにくくなるかもしれないので注意が必要です。
 第2に、ニコチンやカフェインなど脳を目覚めさせる物質はとらないようにしましょう。時々、「眠れないとイライラするのでタバコを吸います」という話を聞きますが、これでは、夜中に起きる練習をしているようなものです。
 第3に、夕食は入眠の3時間前までにとりましょう。仕事が遅くなるときは、先に夕食を軽く食べてしまうことがお勧めです。
 第4に、就寝直前には激しい運動をしたり、熱いお湯に入らないようにしましょう。
 このように、日常生活を気をつけるだけでも随分睡眠がとりやすくなります。是非皆さんも試してください。