4月に入りました。本年でクリニックも開業して13年目に入りました。干支が一回りするだけの時間が経過したことになります。
しばらくコラムを休んでおりましたが、久しぶりに再開したいと思います。
当院には医師と共に心理士が勤務しております。4月からは新たに2名を迎えることができ、1名の当院に復職しました。これで月曜から土曜まで毎日心理士が勤務することになりました。
心理療法には個人を対象としたものと集団を対象にしたものがあります。
当院では個人を対象とした心理療法は月曜から土曜まで毎日対応できる体制を作っております。
一方、木曜日には集団を対象とした心理療法を行っております。
木曜の午後はうつ病、うつ状態で休職して日が浅い人を対象としてフォローアップグループというプログラムを行っております。
このグループでは、まず自分のものの考え方の特徴やうつ状態の程度をチェックします。次いで気分が沈んでいるときに頭に浮かんだ考えを書きとめます。さらに頭に浮かんだ考えの合理的でない部分を見つけ、合理的な考え方を探します。この方法は認知行動療法と呼ばれ、うつ病をはじめとする多くの精神疾患に対して効果が認められております。
木曜午前には復職支援グループというプログラムを行っております。復職を意識しているが、復帰するのが不安でもう一歩が踏み出せない人が対象になります。このグループでも認知行動療法をベースにしたプログラムが適用されております。
いずれのグループも週1回、1回約1時間、合計8回(8週間のコースとなります)行われております。
終了した患者さんに感想を聞くと、「自分と同じような問題で悩んでいる人と接することができて安心した」という反応が大変多いです。メンタルの不調で休業中の患者さんが如何に孤独感を抱いているか、改めて実感します。
心理療法を続けるには、まとまった時間と、稽古ごと(ピアノや英会話など)を行うような根気が必要です。しかし、その結果自分のことをより客観的にとらえられ、問題解決能力が向上する可能性があります。
アーツクリニックでは、今後も複数の専門家による心理社会的な治療に力を入れたいと考えております。