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私たちは毎日いろいろな人とコミュニケーションをとりながら日常生活を送っています。他人と良好なコミュニケーションがとれると人からの援助も受けやすく、よい運をつかむ機会が増えてくるでしょう。
 昔から「情けは人のためならず」という格言があります。人に情けをかけると、その好意がめぐりめぐって最終的には自分にいいことが起こるという意味です。
 最近「ザ・シークレット」という本を読みました。この本の中に、この世の中には「ひきよせの法則」という考え方が紹介されています。普段から希望を持って前向きに生活していると、いいことが起こりやすくなるというものです。「情けは人のためならず」という考え方と似てい ますね。
 逆にネガティブな感情(勝間和代さんは「怒る」「愚痴る」「妬む」とまとめています。)にとらわれていると、援助してくれる他人も遠ざかり、運の悪い出来事をひきよせるといわれています。
 それでは他人と良好なコミュニケーションをとるにはどのようなことに注意したらよいのでしょうか。
 我々が、初対面の人と会う時には必ず自分自身に関する情報を相手に伝えます。社会心理学ではこのような行為を自己開示と呼んでいます。自分が進んで自己開示をすると、コミュニケーションの相手から好意を得やすいことがわかっています。
 コミュニケーションには言葉を使う要素(言語的コミュニケーション)と言葉を使わない要素(非言語的コミュニケーション)があります。
 メーラビアンという人の研究では、コミュニケーション(好意や感情の伝達)の中で言語による伝達はわずかに7%となっています。つまり、人間は自分の感情の9割以上を言葉なしで相手に伝えていることになります。具体的には顔による表現(表情・視線)が55%、声の調子が38ᦀ 5;とされています。非言語的なコミュニケーションガいかに大切か、お分かりいただけるかと思います。
 最近世の中ではメールでコミュニケーションを取る機会が増えました。メールでのコミュニケーションは言語のみを使ったものなので、伝えたいことの1割も相手に伝えられないことになります。ブログが炎上するなど、ネットでコミュニケーションがうまく取れないことが社会問題にもなっていますが、その背景には言語的コミュニケーションの限界という問題もあると思われます。
 電話でのコミュニケーションでは、言語的要素のほかに声の調子などが相手に伝わります。それでも本人の伝えたいことのうち半分以下(言語7%+声の調子38%)。
 それでは、他人と親しくなるためにはどのようなことが大切なのでしょうか。社会心理学では、①適度な視線の交錯、②にこやかな表情、③体の接近、④暖かいトーンの声、⑤適度なタッチング(日本人ではどうでしょうか?)、⑥会話の際の共鳴などが対人関係を円滑にするために重要とされています。
 我々は自分たちがどのように非言語的なコミュニケーションを行っているかは、自分自身ではわかりにくく、他人からはわかりやすいといわれています。我々は、上記の6項目を意識しながら人との良好なコミュニケーションをとれるように心がけたいものです。